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今回はイロハニアートから、聞いたことはあるけれど意外と知らない
「ファインアート」という言葉について解説したコラムをご紹介いたします。
芸術に関する文章の中に、「ファインアート」という言葉を見つけたことはありませんか? 実はこの言葉は定義がはっきりしておらず、使う人によって微妙に意味が変わることもあります。
「『ファインアート』ってよく聞くけど、実際どういう意味?」という疑問を抱えている人も多いはず。この記事では、ファインアートという言葉の意味と、応用芸術との違いを紹介します。
ファインアートは日本語では一般的に、「純粋芸術」と訳されます。平たく言うと、ファインアートは「美しい以外にとくに役に立たない芸術」を指します。ファインアートという言葉が生まれたのは18世紀後半のヨーロッパで、応用芸術を純粋芸術(ファインアート)から区別するためでした。
反対に、応用芸術とは、純粋な芸術性の他に実用的な側面をともなう芸術を指します。一方で、ファインアートは「美的・知的な目的のために創作されたもの」で、芸術の制作そのものが目的になっている点が特徴です。
「ファインアート」の目的はアートそのものの表現活動であるため、それ以外一切の実用的な機能を持ちません。
ファインアートと応用芸術の最大の違いは「芸術表現以外の目的の有無」と言えます。
たとえば、装飾がほどこされた美しいティーポットがあるとします。ティーポットがお茶を飲むための機能を維持している限り、これは応用芸術(装飾芸術)に分類されます。
一方、その作品がティーポットの形をしていても、中にお湯をいれたり注ぎ口があったりするような実用的な側面がなければ、純粋芸術と分類されるでしょう。ルネッサンス期においては、機能性の保証や使い勝手の良い形など実用性の「制約」を受けないことが芸術の理想とされていました。
ものや空間を装飾する目的のある芸術は、一般的に応用芸術に分類されます。しかしこれは、応用芸術におけるアートの質が低いという意味ではありません。単に、作品作りの出発点がファインアートと応用芸術では異なるということです。
ファインアート:芸術表現の欲求→作品制作
応用芸術:実用的なものの制作→装飾の決定
そのため、この区別は芸術の質の良し悪しを基準にしているわけでなく、伝統的な西洋的な規範に則った定義ということに注意しましょう。
ここまで、西洋的な概念としての「ファインアート」の定義を紹介してきました。しかし、現代ではこれらの区別にはあまり意味がなくなっています。
とくに現代アートにおいては、どんな手段で表現されるかは重要ではなく、表現者の意図やコンセプトが重視されています。そのため実用性をともなう側面が作品にあったとしても、「ファインアート」に分類されることもあります。
ややこしいですが、「ファインアート」という言葉を見かけた際は、ある程度柔軟に解釈する必要があるかもしれません。この記事が定義を理解する助けになれば幸いです。
アート初心者の方でもわかりやすい内容で、より一層アートへの興味が深まったのではないでしょうか。
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ぜひ見てみてくださいね♪
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